駅のホームには彼らが居た!〜弁当売りとお茶とみかんの思い出

昭和の生活
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昭和という時代、電車の旅ひとつとっても、現代の「タイパ重視」な移動とは180度違う、濃密で、少し汗臭くて、そして最高に美味いドラマがありました。

今回は、駅のホームの風景を象徴する、駅弁売り、ポリ茶瓶、冷凍みかんについて、愛を込めて振り返ります。

昭和の駅ホームは「戦場」であり「劇場」だった

今の駅、静かすぎませんか? みんな整列して、スマートに乗り込んでいく。

電車の中では、みんな静かにスマホとにらめっこしています。

でも昭和は違いました。電車の窓は全開で開くし、タバコはホームでも電車の中でも吸えたし、駅弁を売る「立ち売り」のおじさんたちの声が響き渡っていました。

首から下げる「山積み弁当」

「べんと〜、べんと〜!」というあのかけ声。

あの頃、駅のホームでは、おじさんたちが、弁当の入った大きな木製の箱を首から下げていましたね。あれ、実は相当な重量だったそうです。

お弁当にお茶をどっさり載せて、重さは20kg〜30kgになることもあったとか。

もはや筋トレです。駅弁売りは、日本で最も足腰が鍛えられる職業の一つだったに違いありません。

面白いのは、停車時間の短い駅での攻防戦。

窓を開けて、外のおじさんに千円札を差し出す。おじさんが弁当とお釣りを投げるように渡す。列車が動き出す。「ああっ、お釣りまだ!」なんて光景も日常茶飯事。

「窓越しに食料を調達する」という、今考えればドライブスルーの先駆けのようなシステムが、全国の駅で繰り広げられていたのです。

プラスチックの香りが隠し味?「ポリ茶瓶」

さて、弁当とくれば飲み物が必要です。

今では、ペットボトルのお茶なんて当たり前ですが、1990年頃、ペットボトルのお茶が開発されるまでは、手軽にお茶なんて飲めませんでした。

そこで登場するのが、取っ手のついたプラスチック製の水筒、通称「ポリ茶瓶」。

蓋がコップになっていて、中には熱々の緑茶。

お茶本来の香りと、温まったポリ容器の香りが混ざり合い、「ああ、今、旅をしているんだ」と実感させてくれる事この上なかったのです。

実はこのポリ茶瓶、中に入っているのは「ティーバッグ」が主流でした。

当時としては画期的なシステムでしたが、お湯が熱すぎてプラスチックが微妙にフニャッとなるのもご愛嬌。

今のペットボトルのお茶は冷えていて美味しいですが、あの「ちょっと安っぽいけど温かい、紐付きの蓋」のぬくもりには違った味わいがあると思いませんか?

鎧を纏った「冷凍みかん」に大苦戦!

そして、駅弁のお供といえばこれ。カチコチに凍った「冷凍みかん」です。

あれをただの「冷たくて美味しいデザート」だと思っていると痛い目に遭います。皮までカチコチに凍っているため、剥けねー、冷めてーと地獄を味わうことになるのです。

実はこの冷凍みかん、単に凍らせているだけではないんです。

暑い時期でも食べられるように「一度凍らせたあとに冷水にくぐらせて、氷の膜(グレース)を作る」という、手間のかかった職人技が隠されています。

昭和の子供たちは、この「氷の鎧」を纏ったみかんを、手のひらで転がしながら少しずつ溶かして食べました。

でも、待ちきれずにシャリシャリの状態で食べるのがまた最高。指先が黄色く、そして感覚がなくなるほど冷たくなるまでがセットのエンターテインメントでした。

昭和という「不自由な贅沢」

こうして振り返ると、昭和の鉄道旅は実に忙しいものでした。

• 窓を開けて叫んで弁当を買い、

・プラスチックの蓋でお茶をすすり、

• 氷のようなみかんに苦戦する。

今の新幹線なら、全行程を無言で、快適な室温で、スマホ一台で完結できます。

でも、あの少し冷めた幕の内弁当と温いお茶、カチカチの冷凍みかんは、どんな高級フレンチよりもご馳走でした。

不便だからこそ、一食一食に必死で、不自由だからこそ、その瞬間がイベントだったのです。

もしタイムマシンがあるなら、私は最新のリニアモーターカーではなく、扇風機が回る旧型客車のボックス席に行きたい。そして、首からトレイを下げたおじさんに、こう叫ぶのです。

「おじさん! 幕の内ひとつ、あとお茶も!」

最後に、昭和の駅弁の雑学を少々。

• 駅弁の立ち売り: 昔は「1分停車」の間に10個以上売る達人もいた。

• 冷凍みかん: 1955年、静岡県の小田原駅で誕生。夏にみかんを販売しようと開発された。

• ポリ茶瓶: 陶器製の「汽車土瓶」は重くて割れるため、昭和30年代にプラスチック製へ進化した。

こんなブログをかいていたら、鉄道で旅行に出かけたくなりました。次の連休はどこかに旅してみようかな。

かっぱ隊長でした。

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