みなさん、こんにちは。令和のデジタルな波に飲まれ、電子書籍で「ポチッ」と本を買う日常にどっぷり浸かっていませんか?
便利ですよね。でもね、たまに猛烈に恋しくなるんです。カビ臭い本達が詰まった本棚がずらっと並ぶ薄暗い部屋を。静かで、そして時々、ページをめくる音が聞こえてくる学校図書館を。
今回はキッズにとっての聖域、学校の図書館を思い出してみました。
「図書貸出カード」という個人情報の流出先
現在はどうだかわかりませんが、昭和の図書館の本の後ろには、必ず「図書貸出カード」が入ったポケットが貼り付けてありました。
誰がいつ借りたかが一目瞭然。プライバシー? なんですかそれは。
気になるあの子の名前がカードにあるのを見つけて「うわぁ、あの子もこれ読んでるんだ(ポッ)」とドキドキする、あのカードは学校の人間模様を映し出す鏡だったのです。
江戸川乱歩と「少年探偵団」の呪縛
そんな中で、カッパ少年が大好きだったのが、ポプラ社から出ていた江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズです。
あのちょっとおどろおどろしい表紙! 柳瀬茂さんのイラストがカッパ少年に突き刺さりまくりでした。
「怪人二十面相」「妖怪博士」「電人M」……この怪しいタイトル達を見ただけで、今でもワクワクが蘇ってきます。
実はあのシリーズ、本来は大人向けのドロドロした話を子供向けにリライト(書き直し)したもの。だから、子供向けと言いつつ、どこか退廃的な香りが漂っていたんですよね。
『小さな恋のものがたり』と、静かなる乙女の聖域
通常、学校の図書館にはマンガなど置いてありませんが、うちの小学校に置いてあったマンガが2作品ありました。
一つは、全国の小学生のトラウマ漫画「はだしのゲン」、そしてもう一つは、「小さな恋のものがたり」いわゆるチッチとサリーであります!
あの頃、とんでもなく対極にある二つの漫画が図書館に同時に存在していたのです。
恋愛漫画など鼻垂れ小僧のカッパ少年には無縁のため、本屋では絶対に手に取ったりはしなかったでしょうが、マンガなど無いはずの図書館で、マンガがあったら気にならないはずがありません。
そして手に取って読んでいく内に、段々とこの甘酸っぱい世界の虜になっていくわけです。
背が低くておっちょこちょいなチッチと、背が高くて秀才でクールなサリー。あの、ほのぼのとした雰囲気の恋愛漫画に、恋愛なんてロクに知らない鼻垂れ小学生のカッパ少年もいつの間にかドキドキしていたのであります。
この作品、なんと1962年から50年以上にわたって連載されていました。
作者のみつはし先生も体調を崩されたりで、一旦2014年の第43集で完結したと思ったら、その後も発売され続け、現在、第46集まで発売されているというから驚きです。
しかもサリーがスウェーデンに留学するとか、想像もつかない展開になっていたようでびっくりです。
きっとサザエさんやドラえもんのように、完結しないで、いつまでも続いていくのでしょうね。
紙の匂いと思い出
社会人になると、時間に追われ、本を読む時間などとても無くなってしまいます。
でもたまに、本を手に取ってゆっくりページをめくって読む、子供の頃には当たり前だったあの心地よい時間が恋しくなります。
もう小学校の図書館に行く事は出来ませんが、あのカビ臭い、黄色く焼けた本達のページをめくりたくなる時があります。
ポプラ社の乱歩シリーズの、あの厚みのある背表紙。
チッチとサリーが教えてくれた、ほのぼのとした恋の切なさ。
皆さんの思い出の一冊は何ですか?
もしお時間があれば、近所の図書館へ足を運んでみてください。もしかしたら、書架の隙間に、あの頃の自分がまだ座り込んで本を読んでいるかもしれませんよ。


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