昭和の茶の間が凍りついた「催眠術番組」の怪しい魅力

昭和のテレビ
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こんにちは、昭和のテレビの熱量が今なお懐かしい、かっぱです。

今のテレビ番組を見ていて「無難だな〜」と思う反面、ふと「あの頃の無茶苦茶なエネルギーが恋しいな」なんて思うことはありませんか?特に、昭和のバラエティ番組における「オカルト・超能力・催眠術」の三種の神器。これらは当時の子供たちにとって、科学雑誌よりも説得力のある「真実」でした。

今日は、そんな中でも特に我々の記憶にこびりついている「催眠術番組」について振り返ってみたいと思います。

「あなたはだんだん眠くなる…」という魔法の呪文

昭和の催眠術番組といえば、謎の外国人催眠術師「マーチン・セント・ジェームズ」氏でしょうか。英語で喋って、横に通訳が立つスタイル。「これじゃ結局、通訳の人が催眠術かけてるんとちゃうんかーい!」と思ったのは、自分だけでしょうか。

番組が始まると、怪しげなBGMとともに催眠術師が登場。ひな壇に並んだアイドルや芸人たちに向かって、指をパチン!と鳴らします。

すると、タレントさんが平気な顔をして、大量のワサビを、レモンを、玉ねぎを食べ始め、「おいし〜い!」と笑顔を見せる。これを見た茶の間の我々は「ウソーっ!」と叫びながら、テレビにかじりついたものです。

昭和の催眠術番組、ここが「ツッコミどころ」!

今振り返ると、昭和の催眠術番組には、実に愛すべき「お約束」が詰まっていました。

なぜか毎回、特定のタレントさんだけが即座に沈没(催眠状態)するんですよね。もはやこれは、そのタレントさんの持ちネタと言っていいでしょう。

また別の場面では「あなたの体は鋼鉄のように硬くなります!」と言われ、二脚の椅子の間に橋のように渡されるタレント。その上に催眠術師が乗るという演目も定番でした。今思えば、催眠術というよりは体幹トレーニングの成果ではないかという説もありますが、当時は「催眠術すげえ!」と本気で信じていました。

催眠術って結局何だったのか?

催眠術とは、完全に意識を失わせるものではなく、心理学的には「暗示に対して受け入れやすい状態」になることを指します。本人の意思が完全に消えるわけではありません。

テレビで行われていたのは「ステージ・ヒプノシス(舞台催眠)」と呼ばれるエンターテインメントに特化した手法。これには「被暗示性」という個人の特性が大きく関わっています。

  • 観客効果:「ここでかからないと番組が成立しない」という無意識のプレッシャー
  • 変性意識状態:強いライトと音楽、そして「権威」ある術師の言葉により、トランス状態に入りやすくなる

つまり、あれは「ヤラセ」という一言で片付けるには惜しい、術師と被験者と視聴者の、奇跡の共同作業だったわけです。

学校でマネして撃沈

昭和の子供たちがこの番組を見た後にすることといえば、ただ一つ。「学校での実践」です。

休み時間、友人の目を見つめて「あなたはだんだん眠くなる…」と指を振る。当然、誰も眠くならないという悲劇が繰り広げられるわけですが、それでもみんなが試してみたくなる。それがあの番組の持つ不思議な力でした。

消えゆく「怪しさ」と、残したい「ワクワク」

最近では、視聴者のリテラシー向上やコンプライアンスの観点から、こうした「ガチかネタかわからない」グレーゾーンの番組はめっきり減ってしまいました。今の時代、何かあればすぐにSNSで「ヤラセだ!」「科学的根拠は?」と検証されてしまいます。

確かにヤラセはいけませんし、正確な事実を放送することは当然です。しかし、あの頃の「もしかしたら、本当に催眠術はかかるのかもしれない」という、根拠のないワクワク感まで消えてしまったのは、どこか少し寂しい気がします。

昭和の催眠術番組は、私たちに「信じることの楽しさ」と「胡散臭さを楽しむこと」を教えてくれた、かけがえないエンターテインメントだったのであります。

それではまた、かっぱでした。

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