「合体!」……この掛け声だけで白飯が3杯食える貴兄へ。
かつて昭和の空き地で、鼻水を垂らしながら「合体!」と叫んでいたあの日々を覚えていますか?
今回は、合理的判断をすべて「ロマン」という名のブラックホールへ叩き込む、変形合体ロボの魔力について語り尽くします。
物理法則?何それ美味しいの?「ゲッター線」という名の免罪符
こんにちは、こんばんは。昭和の残り香を背負って生きる男、かっぱ隊長です。
いつの時代も、ギミック満載のロボットは男子の憧れ。それが変形・合体などしようものなら、当時の小学生は興奮のあまり鼻血で真っ赤なマントを描けたものです。
そう、合体こそは「漢のロマン」。
冷静に考えてみてください。敵の目の前であえて無防備な姿を晒し、チンタラと合体作業を行う。その間、敵が攻撃してこないのは「宇宙の暗黙の了解」なのか、あるいは敵もあまりの格好良さに見惚れているのか。
そんな無駄の極致に命を懸ける主人公たちに、「最初から合体して出撃しろよ」なんて正論を吐くのは野暮というもの。「バカだなぁ(最大級の褒め言葉)」と笑い飛ばすのが、かつての少年たちに許された唯一の礼儀なのです。
中でも、昭和の少年達の脳をバグらせた筆頭が『ゲッターロボ』です。
3機の飛行機(ゲットマシン)が、合体の順番を変えるだけで「空・陸・海」に適した3パターンのロボになる。画期的です。天才です。
……が、しかし!当時の私は気づいてしまったのです。
「なんで翼も無いのに飛べるんだ?」「そのドリルはどこに隠してた?」「どこにキャタピラを隠していた?」と。
実はこれ、ファンの間では「ゲッター線(未知のエネルギー)による形状記憶合金の変態」ということで無理やり納得させられています。
要するに「ゲッター線がなんとかしてくれた」という、超科学なんですね。
当時のアニメーターも「これ、おもちゃにするの無理じゃね?」と匙を投げたんじゃないかと思われるトンデモ変形。おもちゃ会社の開発担当者が、この「物理法則無視」の設計図を突きつけられて、どれほどの枕を涙で濡らしたかと思うと、今では「お疲れ様です、一杯奢らせてください」と肩を叩きたくなるのが、ジジイになった今の私の心境です。
5機合体の衝撃!おもちゃ会社の策略と「超合金」の重み
一方で、物理法則と真っ向から戦い、勝利を収めたのが『超電磁ロボ コン・バトラーV』でした。
5機のメカが合体して1機のロボになる。この「5」という数字が絶妙なんです。
この合体ギミックを完成させた村上克司さん(伝説のデザイナー)は、まさに天才というほかありません。
当時の「超合金」シリーズでこの合体を再現した時の感動といったら!
マグネットやジョイントを駆使して、「ガチッ」と組み合わさるあの感触。手にかかるズッシリとした亜鉛ダイカストの重み。あれは単なるおもちゃではなく、少年の手に握られた「工業製品の結晶」でした。
しかし、ここで大人の事情が顔を出します。
そう、5機合体するということは、親に「5回」もおねだりするか、あるいは「セット箱」という高額商品をお願いしなければいけないという、おもちゃ会社の非情かつ完璧な策略だったのです。
「バラ売りで1号機と3号機だけ持っている」という、地獄のような中途半端状態に陥った少年も少なくありませんでした。上半身はあるのに足がない、あるいは足はあるのに顔がない。
戦場なら即座に撤退レベルの欠陥品ですが、当時の少年たちは、パーツが足りなくともたくましく遊んでいたのであります。
実は、合体シーンがアニメで長く尺を取るのにも理由があります。
一つは「作画の枚数を節約し、同じバンクシーン(使い回し)で放送時間を稼ぐ」という制作側の台所事情。
もう一つは「この手順で合体するんだよ!」という、おもちゃの取扱説明書を映像で流し、子供たちの購買意欲を洗脳……もとい、高めるためでした。
私たちは、アニメを見ながら無意識に「合体のイメトレ」をさせられていたわけですね。なんという高度なマーケティング。
ロマンは時代を超え、財布を直撃し続ける
昭和から平成、そして令和へ。
ガンダムがリアルな合体を見せ、マクロスが華麗に三段変形し、勇者シリーズが過剰なまでの合体を披露してきました。
今の技術なら、かつて不可能と言われたゲッターロボの変形すら、最新の「超合金魂」などで(かなりの変態技術を駆使して)再現できるようになっています。
結局、私たちは大人になっても、あの「ガシャン!」という合体音に抗うことはできません。
かつて鼻水を垂らしていた少年は、今や加齢臭を気にするおじさんになりましたが、ショーケースに並ぶ合体ロボを見るたびに、瞳の輝きだけは昭和にバック・トゥ・ザ・フューチャーしてしまうのです。
変形合体ロボット、それは「不合理を愛する心」の象徴。
これからも、私たちの財布(とロマン)を激しく揺さぶり続けることでしょう。
以上、かっぱ隊長でした!
昭和40年代生まれの何の取り柄もない爺いです。
関西出身の東京在住。
懐かしいもの、怖いものが大好き。


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