昭和エロの黄金時代~チラリズムと10時の奇跡~

エマニエル夫人

ネットを開けば1秒で「答え」に辿り着ける令和の時代。しかし、かつての昭和キッズたちは、テレビ画面という名の「秘密の花園」を必死に開拓していました。今回は、家族の視線をかい潜り、手に汗握る攻防を繰り広げた「昭和のお茶の間エロ事情」を、カッパ隊長が愛とリスペクトを込めて振り返ります。

ネットのない時代、僕たちは「一瞬の奇跡」に命を懸けていた

こんにちは、こんばんは、カッパ隊長でございます。

今回は少々大人向け、かつノスタルジー溢れる「昭和のエロ」について語らせていただきます。今の時代、スマホ一台あればフィルタリングをいかに突破するかというデジタルな戦いになりますが、昭和の戦場はもっとアナログで、もっとスリリングでした。

当時はエロ本、深夜番組、そしてビデオテープ。これらがエロの三種の神器でしたが、どれも入手難易度が高い。特に子供にとって、深夜番組を観ることは「親の就寝」という高いハードルを越える必要がありました。そこで重要になったのが、ゴールデンタイムに紛れ込む「不可抗力なお色気」だったのです。

大磯ロングビーチの熱い夏と「おりも政夫」という聖域 

昭和の「ポロリ」といえば、まずは『オールスター水泳大会』でしょう。会場はおなじみ、芸能人の聖地・大磯ロングビーチ。ここで開催される騎馬戦は、もはやスポーツではなく、全国の男子が息を呑んで見守る「神事」に近いものでした。

ここで司会を務めていたのが、おりも政夫さんです。フォーリーブスのメンバーとして活躍した彼ですが、あの安定した進行があってこそ、お色気シーンもどこか「番組の演出」として成立していた気がします。ちなみに「おりも」という苗字、本名は「織茂」と書きますが、全国でも非常に珍しい苗字なんですよね。

そんな豆知識はさておき、当時のカメラマンはプロ中のプロでありました。激しい騎馬戦の中で発生するお約束、女の子のブラが取れるというハプニング「ポロリ」を決して逃さないフレームワーク。あれこそが職人芸です。いい仕事してるぜ、カメラマン!あの番組を見ていたすべての男子はそう思い、『グッジョブ』と心の中で親指を立てていたのであります。

『ウィークエンダー』の衝撃と「寝たフリ」の技術

続いて語り継ぐべきは『ウィークエンダー』です。「♪テッテレッテテッテー!」という、あのあまりにも有名なテーマ曲が流れると、子供心に「あ、ヤバいのが始まる」と察したものです。

この番組は新聞の三面記事を再現ドラマで紹介するワイドショーでしたが、その再現フィルムがとにかく濃厚でした。痴情のもつれ、覗き、不倫……。リポーターの加藤芳郎さんや泉ピン子さんたちの軽妙な語り口とは裏腹に、映し出される映像は完全にアウト。

親と一緒に観ているとき、あの空気が凍りつく瞬間の気まずさといったらありません。カッパ少年はここで「寝たフリをしながら薄目を開ける」という、現代のステルス技術にも匹敵する高度なスキルを習得したのであります。

「土曜ワイド劇場」と伝説の「10時またぎ」

さて、昭和の夜を彩った番組が『土曜ワイド劇場』を筆頭とする2時間サスペンスです。

オープニングのあの不気味な音楽にビビりながらも、僕たちは知っていました。物語の中盤、必ず「ご褒美」が来ることを。

特に、古谷一行さんと木の実ナナさんの名コンビによる『混浴露天風呂連続殺人シリーズ』は、タイトルからして確信犯です。犯人探しよりも、「いつ、どのタイミングで脱ぐのか」に全神経を集中させていたのは私だけではないはずです。

必ず数名の女子大生が温泉旅行に来ていて、なぜか殺人事件を追う古谷さん扮する刑事の行く温泉でことごとく一緒になり、なぜかいつも混浴で、なぜか殺人事件に巻き込まれる、という素晴らしいサスペンスドラマでありました。

おっぱい丸出しの女子達に向かって、捜査そっちのけで昼間から温泉に入っている古谷一行さんが、鼻の下を伸ばしながら、嬉しそうに『おいでー!一緒に入ろうよ!』と誘う姿は忘れられません。かっぱ少年には、あの姿は演技では無く素にしか見えなかった訳であります。そして、かっぱ少年は、犯人が誰かなんてどうでもよくて、温泉シーンだけで見て良かった!と思っていたわけであります。

また、天知茂さんの『江戸川乱歩の美女シリーズ』も外せません。明智小五郎が変装を解く瞬間のカタルシスと、ヒロインのシャワーシーン。これらがセットになって初めて、昭和のサスペンスは完成していたのです

ここで一つ雑学を。当時の番組制作陣が編み出したとされるのが、いわゆる「10時またぎ」というテクニックです。

夜9時から始まる番組において、裏番組にチャンネルを変えられやすい夜10時直前に、あえてお色気シーンや衝撃の展開をぶつける。視聴者をテレビの前に釘付けにするためのこの仕掛け、考えた人はまさに天才(変態的な意味で)でしょう。おかげで僕たちは、10時になっても寝るに寝られないというジレンマに陥ったわけです。

黒い椅子の衝撃『エマニエル夫人』

そして忘れてはならないのが、洋画劇場で放送された『エマニエル夫人』。あのシルビア・クリステルが藤ラタンの椅子に座るポスターは、当時の子供たちにとって「大人の世界の象徴」でした。

「え、これ地上波でいいの?TVで流していいの?」と言いたくなるようなHなシーンが盛りだくさんな内容にもかかわらず、当時は編集版ながら21時から放送されていた時代もありました。あぁ、昭和って本当にゆるい時代でしたねぇ。あの気だるいテーマ曲が流れるだけで、お茶の間には異様な緊張感が漂いました。今では考えられませんが、あの頃のテレビ局には「エロもまた文化である」という謎の寛容さがあったように思えます。

ほんの少しのお色気が想像力を掻き立てる

振り返ってみれば、昭和のお色気は「ほんの少し」だったからこそ、私たちの想像力を無限に刺激してくれました。

バカ殿様の腰元の不意な露出や、温泉リポーターのお姉さんの湯気越しのシルエット。今のネット社会にある「見えすぎているエロ」にはない、あの「見えそうで見えない、でもちょっと見えた!」という瞬間の爆発力。

不便だったからこそ、一瞬のチャンスに命を燃やした。昭和とは、そんなエネルギーに満ちた(そして少しだけゆるい)素敵な時代だったのです。

それでは、エロカッパ隊長でした。またお会いしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました