こんにちは、こんばんは、かっぱ隊長です。
大谷翔平選手が「160km/hの剛速球」と二刀流で世界を驚かせる令和の野球界。
しかし、かつての昭和野球マンガは、そんな次元を遥か斜め上に超越していました。
物理法則は場外ホームラン、コンプライアンスは三振、時には命すらマウンドに埋める……。
今回は、現代の審判が見たら即座に試合終了を宣言する、熱狂と狂気の「昭和野球マンガ」をプレイバックします!
物理法則が死んでいる!命を燃やす超人たちの咆哮
昭和の野球マンガは、スポーツというより「果たし合い」でした。その筆頭が、もはや伝説という言葉すら生ぬるい『アストロ球団』です。
「昭和29年9月9日午後9時9分9秒生まれ」という、区役所の職員も二度見するような宿命を背負った9人が集結。彼らの目的は、巨人軍や米大リーグに勝つこと。……ですが、その内容が凄まじい。
エースの球一が投げる「スカイラブ投法」は、空中から魔球を投げる投法で、投げ過ぎると腰が砕けてしまう、恐ろしい投法であります。ボールを投げただけで腰が砕けるなんて、たまったもんじゃありません。
特訓も狂っています。電動ドリルに手を突っ込んで鍛えるなど、現代のスポーツ科学が絶叫して逃げ出すレベル。試合中に選手が文字通り「昇天」しても試合を続行する展開は、読者に「これは本当に野球なのか?」という根源的な問いを突きつけます。読み終わった後の疲労感は、フルマラソンを完走した後のそれに近いものがあります。
そして、巨人が「球界の盟主」として君臨していた時代の象徴が『侍ジャイアンツ』です。
主人公・番場蛮の代名詞「ハイジャンプ魔球」。マウンドで垂直跳びを披露し、空高くからボールを投げ下ろす……。
今ならボークどころか、審判から「とりあえず落ち着いて降りてきなさい」と諭される案件です。
さらに「大回転魔球」では、マウンドでフィギュアスケートのように回転して目を回しながら投げるという、三半規管への嫌がらせのような技も披露。
原作のラストでは、命と引き換えに放った「分身魔球」の後、蛮はマウンドで仁王立ちしたまま絶命します。(アニメでは存命)
「野球で死ぬ」ことが美学として成立していた、昭和という時代の圧倒的な熱量を感じずにはいられません。
放送倫理の限界突破!野生の証明『アパッチ野球軍』
昭和の怪物作として避けて通れないのが、『アパッチ野球軍』です。
現代の地上波ではまずお目にかかれない、野生児たちの集団。舞台は四国の秘境・猪猿村。
色々と表現がヤバ過ぎて、地上波での再放送は不可能な代物です。
そして、この作品、登場人物の名前からしてクセが強すぎます。
• 網走(あばしり): エース。常に脱獄囚のようなオーラを放ち、ユニフォームの下にはナイフを忍ばせている。
• 材木(ざいもく): 文字通り、丸太を担いで足腰を鍛えた怪力男。
• モンキー: 異常な瞬発力。もはや人間より猿に近い。
• お花: モンペ姿で参戦する野生派ヒロイン。
彼らを導く堂島剛コーチの特訓も、ライオンが我が子を千尋の谷に突き落とす系を通り越し、もはや「サバイバル訓練」です。
ちなみに、主題歌の「俺たちゃ裸がユニフォーム〜♪」というフレーズは一度聴くと呪いのように脳内にこびりつくので、中毒注意です。
彼らが現代のドーム球場に現れたら、警備員が総出で対応することになるでしょうが、その「剥き出しの生命力」こそが、当時の子供たちを熱狂させたのです。
癒やしと毒のハーモニー、伝説の『がんばれ!!タブチくん!!』
超人たちの死闘で胃もたれした後、癒しになるのが、いしいひさいち先生の『がんばれ!!タブチくん!!』でありました。
モデルはもちろん、西武ライオンズなどで活躍したレジェンド・田淵幸一さん。
実際の田淵さんは「黄金の放物線」と称えられた天才ホームラン打者でしたが、本作では「打てない・走れない・お腹が空いた」という、もはやプロ失格レベルの愛すべきおデブキャラとして描かれています。
試合中にベンチでたこ焼きを頬張り、守備中には居眠り。監督に怒鳴られても「おっとっと……」と受け流す。
このアニメ映画版でタブチくんの声を演じたのが、名優・西田敏行さんだったというのも驚きです。
西田さんの絶妙なトボけた演技が、実在の選手を(かなり失礼に)パロディ化しているにもかかわらず、不思議な愛嬌を生み出していました。
当時は「本人が怒るんじゃないか?」なんて心配は無用。田淵さん本人もこのキャラを面白がっていたという、プロ野球全体が家族のような、大らかな時代でした。
振り返ってみると、昭和の野球作品には「理屈」を超えた「熱量」と「ユーモア」が溢れていました。
今の1km/h単位で球速を競う精密な野球も素晴らしいですが、たまには「魔球を投げすぎて昇天する」ような、デタラメだけど熱いグラウンドに思いを馳せてみたくなります。
皆さんの心に残る「とんでも魔球」は何ですか?かっぱ隊長でした。


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